初めてフランスを旅したとき、
私はパリだけを見るつもりでした。
でも地図を広げると、その外側がどうしても気になった。
ワイン畑の朝霧が立ちのぼるブルゴーニュ。
光が石畳に落ちるプロヴァンスの町。
ローヌ川沿いの古城。
シャトーが静かに佇むボルドー。
海に浮かぶ僧院、モン・サン・ミッシェル。
そして、祈りの街、ルルド。
フランスは、一都市で終わらせるにはもったいない国でした。
パリを起点に鉄道で移動しながら、
自分で組み立てていく個人旅行。
不安もあったけれど、その分だけ自由がありました。
この記事では、パリから地方都市へと広がる
「フランス個人旅行の始め方」を、実体験をもとにまとめています。
航空券、ホテル、鉄道、治安、そして個人手配とツアーの違いまで。
フランスを「暮らすように旅したい」人へ。
その最初の地図になれたら嬉しいです。
フランスは、都市をつなぐたびに表情を変える
パリは確かに特別な街です。
でもフランスの魅力は、一都市では終わりません。
地図で見ると遠く感じる地方都市も、
実際に移動してみると、思っていたよりずっと近い。
パリからボルドーまでは約2時間。
リヨンへも約2時間。
アヴィニョンへも3時間前後。
日本の新幹線で東京から名古屋へ行くような感覚です。
「ヨーロッパは飛行機で移動しなきゃいけない」と思っていると、
なんだか大ごとに感じてしまいますよね。
でも、チケットさえ取ってしまえば、
あとは駅に行って列車を見つけて乗るだけ。
フランスの鉄道は、思っているほど難しくありません。
もちろん、大きなスーツケースを抱えての移動は少し大変です。
石畳や階段に苦労することもあります。
でも、パリに戻る予定なら、
ホテルにスーツケースを預けてリュックサックで地方へ行くという方法もあります。
身軽になるだけで、旅のハードルはぐっと下がる。
鉄道の乗り方に一度慣れてしまえば、
フランスは「遠い国」ではなくなります。
旅の設計図を描く|フランス個人旅行の全体像
フランス個人旅行は、順番さえ押さえれば難しくありません。
大まかな流れは次のとおりです。
- 航空券を決める
- パリでの滞在拠点を決める
- 行きたい地方都市を選ぶ
- 鉄道を予約する
- 地方都市の宿泊を押さえる
やることは多く見えますが、ひとつずつ進めれば大丈夫。
① まずは航空券を決める
旅の骨格は、到着日と出発日で決まります。
直行便か経由便か、価格と所要時間のバランスを見ながら選びます。
ハイシーズン(夏・年末年始)は価格が大きく変動するため、早めのチェックがおすすめです。
※料金やスケジュールは日々変わるので、最新情報を確認しておきましょう。
② パリを起点にする
フランスを回るなら、まずはパリを拠点にするのが効率的です。
・空港アクセスが整っている
・鉄道のハブになっている
・最初の数日で時差に慣れられる
数日パリに滞在し、そこから地方へ出かける。
あるいは、最後にパリへ戻る。
この“起点”を決めるだけで、旅はぐっと組み立てやすくなります。
③ 行きたい地方都市を2〜3か所選ぶ
最初から欲張らないことが大切です。
ブルゴーニュ、プロヴァンス、ボルドー、ルルド。
すべて回りたくなりますが、日程に合わせて絞る。
目安としては、1都市につき1〜2泊。
移動日も旅の一部と考えると、ゆとりが生まれます。
④ 鉄道を予約する
TGVなどの長距離列車は、事前予約がおすすめです。
早めに予約すると料金が安くなることもあります。
チケットさえ取ってしまえば、あとは駅に行って乗るだけ。
思っているよりシンプルです。
⑤ 宿泊を押さえる
地方都市はパリより選択肢が限られることもあります。
特に夏のプロヴァンスやワインシーズンのボルドーは、早めの予約が安心です。
地区選びとアクセスを意識すると、移動が楽になります。
空の入口を決める|パリへの行き方
フランス個人旅行の骨格を決めるのは、航空券です。
到着日と出発日が決まれば、
そのあとの旅程は自然と形になっていきます。
パリの空港はひとつではない
パリには主に
- シャルル・ド・ゴール空港(CDG)
- オルリー空港(ORY)
の2つの空港があります。
直行便の多くはCDG着ですが、
経由便の場合はオルリー空港に到着することもあります。
空港が違えば市内へのアクセス方法も変わるため、
「どの空港に着くのか」は必ず確認しておきたいポイントです。
CDGからはRERで約30〜40分。
オルリー空港からもトラムやオルリーバスで市内へ出られます。
空港アクセスを理解しておくだけで、到着後の不安はぐっと減ります。
直行便か、経由便か
直行便は約13〜14時間。
体力的には楽ですが、価格は高めになることが多いです。
経由便は時間がかかりますが、
うまく選べば価格を抑えることができます。
アジアや中東経由でヨーロッパへ向かうルートは選択肢が豊富で、
旅慣れている人ほど上手に活用しています。
LCCという選択肢
日本からヨーロッパへの直行LCCはありませんが、
アジアや中東経由でLCCを組み合わせることで、費用を抑えることも可能です。
受託手荷物や座席指定は別料金になることが多いため、
表示価格だけでなくトータルで判断することが大切です。
最近は、LCCのビジネスクラスを利用してヨーロッパへ向かう人も増えています。
とはいえ、価格はJALやANAのエコノミークラスと同等、あるいはそれ以上になることも。
いつかそんな旅もしてみたいと思いつつ、
今は現実的な選択肢を積み重ねながら、旅の形を考えています。
LCCを選ぶときに知っておきたいこと
LCCを経由便で利用する場合、
乗り継ぎ空港で数時間待つこともあります。
せっかく休みを取っての旅なのに、
空港で長時間過ごすことになると、少しもったいなく感じることもあります。
また、フライトの変更やキャンセルへの対応も、
レガシーキャリアに比べると慎重に確認が必要です。
前日に「ご搭乗予定の便は欠航となりました」という案内が届くことも、
珍しくはありません。
そんなときは、
「ああ、多少高くても安心できる航空会社を選べばよかったかも」と
思う瞬間もあります。
価格と安心感のバランス。
航空券選びは、そこをどう考えるかに尽きるのかもしれません。
航空券は「早めに比較」が基本
フランスは夏がハイシーズン。
ラベンダーの季節やワインシーズンは特に人気が高く、
価格も上がりやすくなります。
料金は日々変動するため、
まずは現在の相場をチェックしてみるのがおすすめです。
航空券は「今いくらか」を知るだけでも、旅の現実味が一気に増します。
最初の数日をどう過ごすか
フランスを個人旅行で回るなら、
まずはパリを“起点”にするのがおすすめです。
パリは観光都市であると同時に、
交通のハブでもあります。
空港から市内へのアクセスが整っており、
主要な地方都市へ向かう鉄道も、ほとんどがパリ発着です。
まずはパリで数日過ごし、時差に体を慣らす。
そしてそこから地方都市へ足を伸ばす。
この流れが、もっとも組み立てやすい旅の形です。
到着日は無理をしない
長時間のフライトのあと、
いきなり移動を詰め込むのはおすすめしません。
空港から市内へ移動し、
ホテルにチェックインし、
近くを少し歩くだけで十分。
パリの空気に体を慣らす時間も、
旅の大切な一部です。
パリのどのエリアに泊まる?
初めてのフランス個人旅行なら、
・主要駅にアクセスしやすいエリア
・地下鉄の乗り換えが便利な場所
を選ぶと移動が楽になります。
例えば、
- オペラ地区(交通の便が良い)
- サン・ジェルマン周辺(落ち着いた雰囲気)
- マレ地区(観光にも便利)
エリアによって雰囲気も価格帯も異なります。
「観光を優先するか」
「移動のしやすさを優先するか」
ここを考えて選ぶと失敗が少ないです。
スーツケース問題をどうするか
地方都市へ出かける予定があるなら、
スーツケースの扱いも考えておきたいところです。
パリに戻る旅程なら、
ホテルでスーツケースを預かってもらい、
リュックサックで地方へ向かうのがおすすめ。
石畳の多いフランスでは、キャリーは手こずります。
衝撃でホイールが壊れることもあります。
身軽さが旅の快適さに直結します。
パリは「旅の調整役」
パリは観光地であると同時に、
旅を整える場所でもあります。
必要なものを買い足したり、
予定を調整したり、
次の移動を確認したり。
地方都市をつなぐ前後にパリがあるだけで、
個人旅行の難易度はぐっと下がります。
フランスはレールの上で広がっていく
フランスを個人旅行で回るうえで、
いちばん心強い存在が鉄道です。
高速列車TGVを使えば、
- パリ → ボルドー:約2時間
- パリ → リヨン:約2時間
- パリ → アヴィニョン:約3時間
日本の新幹線で都市間を移動する感覚に近い距離感です。
地図で見ると遠く感じる地方都市も、
実際に乗ってしまえば驚くほど近い。
「ヨーロッパは飛行機移動」というイメージがあるかもしれませんが、
フランス国内は鉄道のほうが便利なことも多いのです。
チケットは事前予約がおすすめ
TGVなどの長距離列車は、
早めに予約するほど安い料金が出ることがあります。
当日でも乗れますが、
人気路線やハイシーズンは満席になることも。
チケットさえ確保しておけば、
あとは駅に行って列車を見つけて乗るだけ。
私は公式のSNCFサイトで予約しました。
日本語で予約したい場合は、Omioのようなサービスもあります。
ストライキという現実
フランスではストライキが起こることもあります。
最初は少し驚くかもしれませんが、
事前に情報を確認しておけば、代替手段を考える余裕も生まれます。
予定を詰め込みすぎないこと。
余白を持つこと。
それがフランス旅のコツでもあります。
スーツケース問題
石畳、階段、古い駅舎。
大きなスーツケースを抱えての移動は、正直なところ楽ではありません。
パリに戻る旅程なら
ホテルに荷物を預けて身軽に地方へ向かう方法が一番おすすめです
手荷物ひとつで列車に乗ると、
フランスはぐっと近く感じられます。
鉄道に慣れると、旅のハードルが下がる
最初は不安でも、一度乗ってみれば思ったより簡単。
駅構内の表示も分かりやすく、
列車番号さえ確認できれば迷うことはほとんどありません。
鉄道の使い方に慣れると、
フランスは「遠い国」から「動ける国」に変わります。
レールの上をつなぐたびに、
景色が変わり、空気が変わる。
フランスは、移動そのものが旅になる国です。
ワイン畑へ、光の町へ、祈りの街へ
パリを起点に鉄道で移動すれば、
フランスは思っている以上に広く、そして深くなります。
同じ国なのに、空気の色が変わる。
そんな体験ができるのが、地方都市の魅力です。
ブルゴーニュ|ワイン畑の静かな朝
パリから東へ約1時間半〜2時間。
ボーヌやディジョン周辺には、
なだらかなワイン畑が広がります。
朝霧のなかに立つぶどう畑は、
観光地というより「生活の風景」。
小さな町を歩き、
中世にできた施療院の色鮮やかな瓦屋根を眺めながら
カフェで時間を過ごす。
それだけで、フランスの別の表情が見えてきます。
ワイナリーを訪れるなら、
事前予約や現地ツアーを利用する方法もあります。
フランスは都市ごとに雰囲気も価格帯も大きく異なります。
まずは全体を眺めて、行きたい街を探してみるのもひとつの方法です。
プロヴァンス|光と石の町
パリから南へ約3時間。
アヴィニョンを拠点にすれば、
アルルやエクサン・プロヴァンスへも足を伸ばせます。
強い光、乾いた空気、石造りの町並み。
同じフランスとは思えないほど、
景色が変わります。
ラベンダーの季節や夏の観光シーズンは人気が高いため、
鉄道や宿泊の予約は早めが安心です。
ボルドー|シャトーとロワールの静けさ
パリから西へ約2時間。
ボルドーは都市としての洗練と、
周囲に広がるワインの世界をあわせ持つ町です。
シャトー巡りは、個人で回ることもできますが、
ツアーを利用すると効率よく訪問できることもあります。
ルルド|祈りの街
パリからはやや距離がありますが、
南西フランスのルルドは、特別な静けさを持つ町です。
巡礼地として知られていますが、
宗教を越えて「心が整う」場所でもあります。
観光地とは少し違う時間が流れている。
地方都市を旅に組み込むことで、
フランスはぐっと奥行きを増します。
地方都市は欲張りすぎない
初めてなら、2〜3都市を目安に。
移動日も旅の一部と考え、
余白を残して組み立てる。
それだけで、慌ただしさが減り、
景色がゆっくりと心に残ります。
自由と安心のあいだ|個人手配とツアー
ここまで読んでくださった方なら、
きっと個人旅行に興味があるはずです。
私自身も、基本は個人手配派。
行きたい町を選び、
列車の時間を調べ、
ホテルを決める。
少し手間はかかりますが、
そのぶん自由があります。
でも、フランス旅行にはもうひとつの選択肢があります。
完全なツアーではなく、
航空券とホテルだけを自由に組み合わせるプランもあります。
航空券とホテルをまとめて押さえると、旅程が組み立てやすくなります。
まずは航空券+ホテルをまとめて比較してみましょう。
個人手配が向いている人
- 自分で調べるのが苦にならない
- 鉄道や移動の手配も楽しめる
- 行程を自由に変えたい
- 旅慣れている
時間と柔軟さを味方にできる人に向いています。
ツアーが向いている人
- 初めてのヨーロッパ
- 親や家族との旅行
- 英語や現地対応が不安
- トラブル対応を任せたい
- 限られた日程で効率よく回りたい
価格はやや高くなることもありますが、
そのぶん「安心」を買う形になります。
LCCのフライト変更や鉄道ストなど、
予測できないことが起きたときも、
サポートがあるというのは心強いものです。
どちらが正解、というわけではない
私は個人手配の自由が好きです。
でも、もし母と一緒に行くなら、
ツアーを選ぶかもしれません。
旅のスタイルは、そのときの状況や同行者で変わります。
大切なのは、自分に合った形を選ぶこと。
ロマンと現実|フランス旅で気をつけたいこと
フランスは美しい国です。
でも、旅にはいつもロマンと現実が同時にあります。
石畳の街並み、ワイン畑の朝霧、
光の差し込むカフェ。
その一方で、
スリや置き引き、
ストライキ、
交通機関の遅延。
ヨーロッパの都市では珍しいことではありません。
実は私は、イタリアでスリにあったことがあります。
そのとき初めて、「旅は非日常でありながら、現実でもある」と実感しました。
フランスも例外ではありません。
特にパリでは、人の多い観光地や地下鉄で注意が必要です。
最低限の備えはしておく
・貴重品は分散させる
・バッグは前に持つ
・夜遅い移動を避ける
そして、万が一に備えて旅行保険に入っておくこと。
クレジットカード付帯の海外旅行保険を確認しておくことも大切です。
何も起きなければ、それがいちばん。
でも、備えがあるだけで、心の余裕はまったく違います。
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それでも、また行きたくなる国
少しの注意と、少しの備え。
それさえあれば、
フランスは決して難しい国ではありません。
鉄道に乗り、
地方都市へ足を伸ばし、
自分で組み立てた旅が形になっていく。
その達成感は、きっと忘れられないものになります。
フランスは、組み立てることで自分のものになる
パリだけで終わらせるには、もったいない国。
レールの上をつなぎ、
地図の外側へ足を伸ばす。
フランス個人旅行の始め方は、実はそれほど難しくありません。
フランス個人旅行は、
少しの勇気と、少しの準備で始められます。
その最初の地図になれたなら、嬉しいです。

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